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国勢調査

 国勢調査の係員がぼくの家にもやって来た。5年ぶりである。(当たり前!)
 今度の調査員は、横着というか要領がいいというか、あきれるほどいい加減なおじさんだ。
 「説明しなくて分かってみえるよね」。そこまではいい。
 「書いたら郵便で送って。切手もいらないから。取りにくるより面倒じゃないでしょ」。まあそうですが…
 「裏のアパートの2Fの人、いつも留守だからポストに入れといていいかな?」。おれに聞くなよ!
 これ、全部実際の言葉。

 ぼくはいいけど、あんまりじゃないかな― と思っていたが、5年前を思い出した。

 5年前は中年のおばさんだった。
 おばさん、「ご説明申し上げます」と紋きり調で始まると、「国政調査の意義」などを話し出す。
 ぼくは、「わかっているからいいよ」と制止するが、「一応説明を」と、記入の方法から、いつ取りに来たらいいか、など、とうとうと語り出した。
 「うるさい!」。
 ぼくは危なく大声で怒鳴りそうになった。

 今度のおじさんも危ないけど、5年前のおばさんよりいい。

 ところでこの調査の回収率は100%じゃないよね。どれくらいなのだろう。
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賽銭泥棒

地蔵の

 通りがかった地蔵堂に貼り紙。

 「お地蔵さんのお金を借りていった人は利子をつけて返しなさい。返さなければ警察が請求に行きます」。

 賽銭泥棒への戒めなのだろうが、どこか間が抜けていて、愛情があって、案外と効き目がある張り紙なのかもしれない。
 田舎はいいな、と思った。

うちにも来た来た!代表戦投票券

代表戦

 来ました来ました。民主党代表戦投票券が。
 代表すなわちわが国の総理大臣の選抜選挙。
 とても大事な選挙だ。

 投票券が来て嬉しいのだが、ぼくに選挙権があるんだろうか。
 ぼくは民主党員でもない。サポーターでもない。
 でも、ぼくの目の前に投票券がある。

 国はどうしてもぼくに総理を選ぶ一票を投じてほしいと、特別に送って来たのだろうか。
 まさか…
 では、間違って送られて来た…
 なぜ?

 ところで、このブログを読んでくださる人にご意見をいただきたい。

 ●ぼくはこの有効な投票券(投票権)を行使すべきでしょうか?

 みんなの意見に従います。
 明日夕方までに投函です。

山下清・ともだち

ともだち

 山下清展が9月5日までというから、4日に行った。
 11時頃、会場のかわら美術館(西尾市)に着く。会場の外までの長い列。
 「閉会前日だから、駆け込みのファンが?」と係に訊くと、「いいえ、お盆の頃から連日こんなものです」。
 依然として山下清画伯人気は高いようだ。(画伯と書いたが、日本の画壇は彼を画家とは認めていないようだ)

 実は、ゆっくりと山下清の絵画を見るのは初めて。全館でどうだろう200点もあっただろう。他に資料などもあり彼の多くが分かる。
 12~13歳、彼が画を始めた頃の作品は心が洗われるような新鮮で衒いのないもの。主に昆虫などを描いているペン画が実に美しい。

 はっと、立ち止まった作品がこれ、「ともだち」だ。
 涙が出そうだった。
 「花火」や「サクラ」「桜島」など派手な構図と色彩が山下の画風と思いがちだが、この人物画は当然、心象画だろうが、素晴らしい。

 長くこの画の前にいた。

 「ぼくはルンペンのようにかってに旅に出て、みんなにめいわくをかけるから、あまりルンペンのように旅に出ないよう、来年からルンペンのように旅にでるのはよして、今年はすこし旅にでて……」
 八幡学園の園長先生にあて山下が書いた、放浪癖を詫びる自筆の「始末書」のようなものも展示してあった。

 「もっと放浪するから叱らないでね」という風に読めてほのぼの。
 こんな素直に人生を送りたい― なんて結論付けるから、
 ぼくら凡人は淋しいのだ。
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